歌姫
途方に暮れていた、その頃のリリー・シェンカー。
何をやっても上手くいかず苛立つ毎日。
その日は雨が降っていた。
リリーは追い詰められた自分と背中合わせで、ギリギリのところで懸命に生きていた。
「自分は駄目ではない。」
リリーはいつも、そう信じていたと思う。しかし、ギターを弾くことすらままならない状態が、リリーを辛く、悲しくさせていたのだろう。
・・・良い音が出したい。
・・・あの音が聴きたい。
きっと、この想いがリリーを突き動かした。
そして、リリーはあの場所に向かった。あの時のように。“bjork”を聴きながら…―。
彼女の歌声は、雨の音、リリーの心と共鳴し、さらに想いを膨らましたことだろう。
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