雨上がり
二人は星空の下で話した。
その時、二人が話した内容は二人にしか分からない。彼女は、なぜリリーが、あの時突然居なくなったのかを聞いたのかもしれないし、聞いていないのかもしれない。
ただ…リリーは、また「ギターを一緒に弾こう」と切り出した。すると女の子は突然黙り込んだ。
リリーは不思議に思った。そう思いながらも何度もリリーは誘った。一緒に弾こうよ…と。しかし女の子は沈黙したまま。
痺れをきらしたリリーは、車からギターを持ち出し、強引に女の子の手を引いて、近くの楽器屋に向かった。
もう店も閉まりかかっていたが、何とかギターを弾かせてもらえることになった。
女の子に椅子に座ってもらい、ギターを手渡す。
すると、女の子は一旦ギターを弾こうとするが、突然泣き出した。
リリーは戸惑う。その時はなぜ泣いているのか分からなかった。
よく見ると、女の子の左手は小刻みに震えていた。
女の子は話し出す。
どうやら、女の子は左手が麻痺し動かなくなるという病気にかかっていた。
その話を聞いたリリーは頭が真っ白になる。
とりあえずその日は、女の子を家に送ることにしたリリー。
一夜明けた次の朝…、リリーは女の子の家に向かう。
彼女にギターをもう一度弾いて欲しいという気持ちが強かったに違いない。
女の子の部屋に上がったリリーはすぐにギターを弾いた。
彼女はジッとそれを聴いていた。ただただ…。
リリーは弾き続ける。
すると彼女はギターを手にとって、動かない手で弾こうと必死になっていた。
それから彼女はリリーと一緒に練習するようになった。何時間も…。全く弾けない彼女をリリーは応援した。
リリーが帰った後も女の子は諦めず練習を続けていた。
リリーは度々彼女のいる町を訪れるようになった。
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ある日…、女の子の部屋の扉を開けたリリーは驚く。
彼女はギターを弾いていた。
アンプからは綺麗な音が聴こえてくる。
それにもリリーは驚いたが、さらに驚いたことがあった。
聴こえてきたきたフレーズはリリーがよく弾くものだった。
彼女は言った。
「このフレーズ、大好きでずっと弾けるようになりたかったんだ。」
リリーはその時、言葉には表せないような喜びの感情が溢れたらしい。
それは、自分の弾くフレーズを“良い”と信じていたリリーだが、そんなことは今まで誰にも言われたことがなかった。
自分が“良い”と信じているものを…その感性を誰かと共有できないということは、彼にとって、とても“孤独”なことだった。
リリーは、その瞬間…再びこの町に訪れた時の“気持ち”が晴れていることに気がついた。…と言っていたらしい。
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コメント
賢さん、今晩は。私は、リリーの弾くフレーズが大好きですよ。
私も女の子の様に、ギターが弾けたら、リリーのフレーズ
弾きたいと思っちゃう。くふん。
投稿: ひふみ | 2007年11月 1日 (木) 17時48分
>ひふみ
ひふみさん、こんばんは。
ひふみさんは、ギター弾いたことがないのですか?
それだけ、ギターが好きなら一度やってみたら良いですよ!
リリーのフレーズはシンプルだから、練習すれば弾けるようになりますよっ。
投稿: けん | 2007年11月 3日 (土) 21時59分